2023年12月17日日曜日

MIM製Ni合金の開発論文から学んだポイント

 ガスアトマイズ粉(GA粉)と水アトマイズ粉末(WA粉)のAlloy718粉末を使用し、標準バインダーAと変更バインダーBとする強度特性の結果は以下の通り。WAは標準バインダーのみ。

《耐力》鍛造≒GA+A>GA+B  (WAデータ無し)

《伸び》GA-B>鍛造=GA+A  (WAデータ無し)

《疲労強度》GA+A>GA+B>鍛造>WA

参考文献: 尾崎ら、”粉末冶金に基づく素形材製造技術の開発”、IHI技法 Vol.59 No.1(2019) P91

【珈琲ブレイ句】MIM製Inco718において、粉末にガスアトマイズ粉末を使えば鍛造材に匹敵する材料特性を確保できることが報告されています。残念ながらバインダーの詳細が不明ですが、ポイントは残留炭素の影響を受けるということです。なぜなら炭素が残留すると母材強度(耐力)に寄与するNbが炭化物(NbC)に消費されるためです。つまり、脱バインダー性の高いバインダー設計と一次脱脂工法の選択が鍵ということです。


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2023年12月5日火曜日

MPIF STANDARD 35-MIM 更新② 420-HIP

 「MIM規格の祖MPIF Standard35」の更新で何が変わったのか?②

MIM-420 HIP&HT が追加(June 2021 Release)

《TYPICAL VALUES:代表値》

従来:MIM-420(HT) 耐力1200MPa 伸び<1% HRC44 ・・

追加:MIM-420(HIP&HT) 耐力1310MPa 伸び8% HRC49 ・・

(HIP:1121℃*103MPa*4H、HT:1010℃窒素ガス加圧冷却*205℃焼き戻し)


【珈琲ブレイ句】熱処理HT前に、HIP(熱間等方圧加圧法)を追加することで従来より耐力が9%向上しています。他の機械的特性(硬度、伸び等)も向上しています(引張は+15%で1586MPa)。ミニマム値でも耐力1172MPaなので凄いです。そもそもこの『SUS420HIP&HTはどんな用途で使われるのでしょうか? 規格化するだけのニーズがあるはずです。』気になるところですが・・超重要保安部品にはHIP&HTがマストと覚えておきます。 

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2023年12月4日月曜日

MPIF STANDARD 35-MIM 更新2022.11

「MIM規格の祖MPIF Standard35」の更新で何が変わったのか?

MIM-17-4PH(SUS630)(November 2022 Release)

《更新箇所》耐食性(g/dm2/day,硫酸)

更新前:<0.005   更新後:0.040

【珈琲ブレイ句】更新前はMIM-316Lと同じレベルの防錆力という評価でしたが、「少しは錆びるよ」という内容に更新されています。これは私の実体験とも合致するので合点が行きます。やっぱり「MIM規格の祖MPIF Standard35」は、謙虚で自己研鑽を続け更新も速い先導者ですね。頼もしい。

この更新にいたる主犯は残留炭素だとおもわれます。そもそもSUS630は316L(LowCabon)の様なC0.03%以下の規格ではないのです。炭素がSUS630の上限0.07%近傍では錆びやすい・・・と理解しました。

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