2022年8月23日火曜日

品質工学パラメータ設計事例5  GRG特性値結合法

 海外の文献でみるMIMのタグチメソッド(L27)。3つの特性値、外観、強度、密度をGRG法で結合。

金属粉末:GA-SUS316L(粗めの二峰分布)

バインダー組成:PEG:73%、PMMA:25%、SA:2%

フィードストック組成:因子C、3水準、64,64.5,65体積%

試験片:不明

特性値:外観、強度、密度 をGRG(Grey relational grade)法により数値化0~1(1が理想)

制御因子:A:射出圧力、B:射出温度、C:粉末量、D:金型温度、E:保圧力、F:射出速度 各3水準 L27  

《結果》A×B、A×C を考慮して最適値はA1B1C1D2E0F2である。さらに粉末量Cは注意が必要で中間の64.5VOL%が選ばれた。

参考文献:Journal of Applied Sciences,2011,Vol.11,Issue:9,P1663-1667, Multiple Performance Optimization for the Best Metal Injection Molding Green Compact

【珈琲ブレイ句】この論文からの学びは2つ。ひとつは、3つの特性値をGRG法を使って0~1の間の数字に結合して解析できちゃうこと。ふたつめは、粉末量が最大の65VOL%ではなく、中間の64.5VOL%が選ばれたこと。粉末の仕様が「A powder metal particle size distributions used is in a bimodal distribution consisting of 70% of coarse powder in a weight fraction.」という程度しか記載が無いのですが、粗い分布を含めた二峰分布ということで、もしかすると粉末量65VOL%は、タップ密度が低く、CSL最大粉末量に接近しておりバインダーが不足ぎみだったという可能性があります。

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