2023年9月29日金曜日
MIMのX線検査について参考図
2023年9月27日水曜日
3Dプリンター用アルミナレジンを深堀する
3つ前のブログで、Formlabs 社(米国)が開発した3Dプリンター用アルミナレジン「Alumina 4N」について深堀したが、収縮率が不明だった。そこで、別の類似する公開論文を深堀することでその謎に迫る。
アルミナ:平均粒径 0.61μm
焼結助剤:Mg、平均粒径0.05μm、アルミナに対して500ppm添加
造形用樹脂:アクリルモノマー、モノマーオイル、光重合開始剤、分散剤
固形分濃度:35VOL% (見かけ粘度<3000mpa・s)
3Dプリンター:下面照射型DLP式光造形法(積層ピッチ25~150μm)
焼成:昇温速度1℃/分、1600~1750℃、大気焼成炉
『結果』
相対密度:97%(XY)、95~96%(Z)
曲げ強度:400MPa(XY)、360MPa(Z)
収縮率:24.0%(XY)、25.1%(Z)
参考:香川県産業技術センター横田耕三ら、型技術 第37巻 第7号 2022年6月号 P078-081、横田耕三ら、粉体工学会誌、Vol.53(2016)、pp.492-498
【珈琲ブレイ句】「Alumina 4N」は同じ方式なので収縮率は24~25%程度だと推察できました。さらに、この香川県産業技術センター横田さんのデータは曲げ強度400MPaなので「Alumina 4N」に匹敵しています。
セラミック粉末はサブミクロンなので(比表面積が大きいので)バインダー量がMIMより多量に必要で、収縮率が25%になっているようです。これは、MIM(収縮率13~15%)と比較するとかなり大きいです。収縮率を小さくするため固形分濃度を上げると見かけ粘度が高くなり、固形分濃度を50VOL%程度にするとペーストになるため光造形底面のモデリングピッチに流入しなくなるそうです。下面照射型DLP式光造形法には粘度に限界があるのです。
一方、MEX方式であれば、ペースト状態が必要なので、固形分濃度を限界(CSL)近傍まで上げることも可能でしょう。結果として収縮率を極限まで小さくすることができるので、相対的に精度(スランプ変形)も向上する可能性があります。このときの副作用は加熱脱脂時間が延びること??
2023年9月24日日曜日
ハイブリッド型MIM-like AMについて
Sinter based Metal AM(MIM-like AM)と機械加工が合体したハイブリッド機を2つ記録しておく。( 注:溶射・溶融積層装置とマシニングセンターのハイブリッドではない。)
【MEX+高速マシニングセンター】Mantle社(サンフランシスコ)の「P200」 →関連BLOG
【BJT+多軸高速ボールエンドミル】3DEO社(カリフォルニア)の「Intelligent Layering」
Intelligent Layeringは、100 μm の粉末層を堆積し、端から端まで均一にバインダー(紫外線硬化)が噴射され、光硬化された層ごとに多軸の高速エンドミルで加工する。削り出されたグリーン体は脱脂焼結される。残った粉末層は再生する。
【珈琲ブレイ句】Intelligent LayeringのBJTは、従来のBJTのように選択的にバインダーを噴射するものではなく、粉末層全体に振り掛け含侵層を作りエンドミルで部品を掘り出すことを繰り返すものです。メチャクチャ贅沢な感じです。一方、P200はMEX造形の削り代部分を機械加工するので歩留まりは相対的に良いと感じます。
これらのハイブリッドの利点は精度ですね。MEXやBJTより一桁以上精度が良くなるでしょう。
でも、機械加工削り出しと比較すれば、精度はかなり低下します。理由は焼結収縮による誤差が加わるためです。それでは、機械加工と比較してメリットを考えてみましょう。まず、工具寿命が格段に延びる。 材料費削減メリットは無いかも?(粉末は溶性材より数十倍高い)。高速加工削り出しの方が脱脂焼結(1~2日間)が無い分だけリードタイムが短い。 結論、QCDで機械加工の削り出しに勝てないような気がします・・?
でも、最大のメリットが発現する条件が2つあります。それは①「難削材の部品を作る」時ですね。グリーン体を削るのは難削材粉末でも容易なのです。②機械加工では原理的にできない中空形状の3D造形ができるところです。
さらに、MIMへの展開が目的の試作部品の製造であれば大歓迎です。がんばれ!ハイブリッドMIM-likeAM。

